日々進化していくパート
日本型雇用システムに関しては、部分部分の制度自体がいわゆる欧米型のものとは異なるため、そのシステムは何か「特殊」なものとみなされがちであった。
ここから、その部分部分の諸制度を欧米型のものに変える必要がある、それが「普遍」のシステムである、といった議論が繰り返されるのであった。雇用システムの構造と機能これがかつての「日本的経営」をめぐる議論であれば、現在の「改革」の議論もまさしくこの延長上にある。
しかし、システムの観点からは、それを構成する部分部分の諸制度がどのような「構造」を形作るのか、それによってシステムがどのような「機能」を達成するものかが理解すべき課題となる。つまり、構造は機能との関連において理解する必要があり、類似した機能を達成するシステムが異なる構造であることは当然に予想されることであり、あるいは反対に、類似した構造のシステムがその機能において異なることもまた当然の予想である。
このような観点からシステムの比較があるのであり、それは「特殊か普遍か」といった問題設定とは無関係である。いやそのような問題設定からは、比較ということ自体がありえない。
比較する、すなわち何が同じで何が異なるのか、このような認識を通じて自分たちのシステムを正しく理解することが必要であり、そのことが「改革」のためにも不可欠である。さらにシステムの観点からは次のように問題が設定される。
つまり、機能の状態に応じて、システムの部分部分に制度変更が進むことになる。問題はそれが既存の構造にどのように組み込まれ、その結果既存のシステムがどのように変化し、変容するのかを理解することにある。
このような分析枠組みとして、以下ではT(1995)が提示する、システムの「構造卜機能ト変動」理論に依拠したい。すなわち当該のシステムはその環境に対して自らを維持することを課題とする。
そのために必要となる機能を充足する限りにおいて自らの構造を維持するが、しかしその充足が困難となることにより、機能の回復あるいは新たな機能の達成のために、構造変動を余儀なくされる。このような観点から、日本型雇用システムの構造と機能そしてその変動について考えたい。
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